Airbnbホストになる際にクリアするべき法律 ~消防法 編~

最近何かと注目を集めているairbnbを利用した民泊ビジネスですが、急成長している分野だけに、法整備が追い付いておらず、現状では、自治体ごとに条例ができ始めたというレベルのため、法的にはグレーゾーンだと言われています。

そんなグレーゾーンと言われている現行の法律をクリアして、airbnbを利用した民泊ビジネスを始めるためには、旅館業法、建築基準法、消防法の3点をクリアすることが必要になってきます。今回は、airbnbを利用した民泊ビジネスを始める場合の消防法について考えていきます。

 

1.民泊と消防法

消防法上で、民泊で使用すると認められた施設は、旅館やホテルと同じという認識をされます。そのため民泊だからという緩和措置はなく、旅館やホテルと同じ消防設置基準で扱われることになります。

では、消防法上で民泊施設と認められるのは、どのような条件かというと、マンションなどの集合住宅の一室を使用する場合には全て民泊施設として認識されます。一般の戸建て住宅で、民泊に使用する部分が少ない場合には、消防法上の民泊施設にあたらないため消防設置基準の適用外となり、特別な消防用設備の設置が不要なこともあります。

 

2.一般の戸建て住宅を利用した民泊で、消防設備が不要な場合とは

戸建て住宅の一部を利用して民泊ビジネスをする場合に、消防設備の設置が不要とされる場合があります。その基準は、

①民泊で使用する部分が、戸建て住宅全体の半分以下であるとき

②民泊で使用する部分が、50㎡以下であるとき

上記二点に該当する時には、消防法上では一般住宅として扱われるので、特別な消防設備を設置する義務はありません。

3.消防法上で必要な消防設備とは

消防法が適用される建物で民泊ビジネスを始める場合、設置が必要になる消防設備をまとめてみます。

 

①消火器

床面積が150㎡以上の時に必要です。設置場所や設置数は、建物の構造によって変動するので、管轄の消防署と個別に相談して決定します。

 

②誘導灯

基本的に全ての民泊施設で必要となります。

 

③防炎物品

カーテンやカーペットなどのファブリックは、消防法で防炎と認定された防炎表示のある物が必要になります。

 

④自動火災報知器

消防法上、民泊施設はホテルなどと同等と考えられるため、全ての施設で、自動火災報知器が必要となります。

 

4.自動火災報知器の設置について

自動火災報知器の設置基準は建物の床面積によって変わってきます。

 

◆建物の床面積が300㎡未満の場合

必要となる自動火災報知器が、「特定小規模施設用自動火災報知器」と呼ばれる簡易的なもので良いので、無線式の物を選べば、配線工事がいらず設置コストが削減できます。

 

◆建物の床面積が500㎡以上の場合

民泊施設に使用するかどうかは関係なく、元から通常の自動火災報知器が設置されています。そのため民泊で使用するからといって、新たな自動火災報知器を設置する必要はありません。

 

◆建物の床面積が300㎡以上500㎡未満の場合

このタイプの建物は、簡易式火災報知器の設置基準から外れてしまうので、通常の自動火災報知器を設置する必要があります。しかし、建築時の設置基準に届いていないため、新たに必要数の自動火災報知器を設置する必要があります。この場合、民泊で使用する部分の床面積が建物全体の床面積の一割を超えるかどうかで、必要な自動火災報知器の個数が変わってきます。

 

・民泊に使用する床面積が全体の一割未満の場合

民泊に使用する部分と管理人室等へ自動火災報知器を設置すればOK

・民泊に使用する床面積が全体の一割以上の場合

建物内にある全ての部屋に、自動火災報知器の設置が必要となります。

 

現実問題、他の住人が居住している全ての部屋に自動火災報知器を設置することはできないと考えられるため、消防法の観点からすると、民泊には建物の床面積が300㎡未満の物件、もしくは500㎡以上の物件が適しているといえるでしょう。

5.自動火災報知器の設置数や設置場所について

自動火災報知器を設置する場所ですが、リビング、キッチン、寝室など、部屋ごとに設置する必要があります。

管轄の消防署によって扱いに違いがありますが、脱衣所や押し入れも一室と数えられ、自動火災報知器の設置が必要なケースもあります。

脱衣所の場合は、洗濯機置き場があるかないかで自動火災報知器を設置するかどうかが判断されます。脱衣所に洗濯機を置くことで、電気を使用することになり、火災の危険があるので、自動火災報知器を設置しなければいけません。

押入れは、クローゼットのように、洋服をかけるだけの形であれば、火災報知器は必要ありません。しかし、布団を収納できるようなタイプなら自動火災報知器の設置が必要となります。

建物の構造などによって、火災報知器の設置基準は変わってきます。設置場所や設置数、熱感知型か煙感知型、どちらのタイプの自動火災報知器を取り付けるのかなども異なってくるので、管轄の消防署に相談し、その指示に従って設置を進めましょう。

 

airbnbを利用して民泊ビジネスを始める場合の消防法について考えてみました。今後、法整備が進み、状況が変わってくることもありますが、物件によっては消防設備の設置義務が発生し、初期費用が多くかかってしまうことがあります。また、物件は手に入れたけど、全戸に自動火災報知器を設置できないため民泊として営業できないといった失敗を防ぐためにも、法律を理解したうえでの物件選びが大切なのです。

 

 

 

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